近代日本の身装文化(身装画像)
説明 広く民俗的な視野から見れば、人が夜、床に入って寝るときの姿は、日中外に着ている硬めの衣服を脱いで、下着の恰好になるのが普通。べつに寝間着という服種を持たないところも多い。とくに寒冷地では裸か、裸に近い恰好で暖かい夜具にもぐりこむ習慣の土地が、外国にもわが国にもある。土地の習慣などではなく、褌(フンドシ)ひとつで夜具にもぐりこむのが好きな男性はよくある。酔って火照ったからだで、柔らかい冷たい布団に入る気持ちのよさはまた格別という。前の時代から寝間着として男女ともに普通に用いられてきたのは、袂のない木綿の単衣もので、それに細帯をしめる。この絵では長い袂のあるものを着ているが、洗いざらした浴衣を寝間着にする場合が多かったから、袂もあるし、けっこう派手な柄物を身に着けて布団に入ることもあったろう。日中に着たものを脱いで下着になる、という意味では、女性だったら腰切りの襦袢に腰巻、男性だったらアンダーシャツとパンツ、あるいは褌という恰好でもいいわけで、この場合はとくに寝間着といえるものは必要としないのだが、布団の中とはいえ夜間は冷え込む日本家屋では、そのうえに古浴衣の一枚でもなければ頼りないだろう。寝間着は、夜が自分ひとりの休息の時間であるか、かたわらにパートナーがいる年齢、また場合か、によっていくぶんかちがう。そしてしばしばそのふたつの場合のあいだに、小さな矛盾が生じる。(大丸 弘)
ID No. A05-073
出典資料 読売新聞
発行年月日 1905(明治38)年12月16日号 1面
小説のタイトル 青春:夏之巻(15)(1)
作者 小栗風葉(1875-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Jhu:[ふとん・ベッドに横たわる;寝道具]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
Vyu:[ゆかた]
D5ne:[寝巻;ナイトウエア]
時代区分・年代 20世紀初め;1905(明治38)年
国名 日本
キーワード うつぶせで寝る;浴衣;敷き布団;掛け布団;枕
男女別 女性
体の部分 全身;横臥