近代日本の身装文化(身装画像)
説明 大阪・船場の古い暖簾の両替商の奥座敷。久しぶりに訪れた親族の老人と対座しているのは六十歳近い主と、五十前後のその妻。親族のもたらしたのはまだ噂に過ぎないが深刻なはなしで、夫婦の一人娘に三年ばかり前に迎えた婿が、悪い血筋のものらしい、ということだった。客とは長火鉢を挟んでの話で、夫婦の前には提げ煙草盆が置かれているが、おそらく客の前にも同様だろう。客が目下の人間であるような場合には、お内儀はもっと長火鉢の傍に近か寄って――ときには長火鉢越しに応対するもの。お内儀の髪は年相応の小さめの丸髷。お内儀が眉を剃る習慣は大阪の旧家ではずいぶん後まで残った。旦那はずいぶん猪首(イクビ)だが、お内儀もそれに負けないくらい襟を詰めて着ている。義太夫の題材になった情話には船場、島之内などがずいぶん舞台になっているが、物堅い商家では東京に比べても、なにかにつけてより昔風にこだわったし、抜き襟など、芸妓風の恰好を嫌う傾向が強かった。(大丸 弘)
ID No. A05-041
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1905(明治38)年5月20日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 吉丁字(3)
作者 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D017:[男の老人]
Vhao:[羽織]
D007:[女の老人]
D2ma:[丸髷]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D3ut:[打合せ;襟あき;ぬき襟]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 20世紀初め;1905(明治38)年
国名 日本
特定地域 大阪;船場
キーワード 商家;両替商;竪縞の羽織;眉落とし;座布団;湯呑み茶碗;煙草盆;火鉢;箪笥(たんす)
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥