近代日本の身装文化(身装画像)
説明 息子の恋女房を肥りすぎていて不器量だと追い出した母親が、最後におのれの非を認める場面。手前の束髪は、母親の尻馬に乗っていた小姑の娘。母親は細かい縞のきものに黒繻子の半幅帯、小紋の羽織、ゆるいきものの打ち合わせから濃い色の襦袢の襟が見えている。眉を落とし、切り髪にしているのは、この時代ではかなり古風といえよう。この作品の中で母親は、いつも煙草盆をかたわらに置き、布団の中でさえ煙管(キセル)を放したことはないが、最後のこの悔悟のシーンだけそれが見えない。作者が画家にそこまで要求したかどうかわからないが、ずっと読みつづけ、毎日の挿絵も見つづけてきた読者には、手持ちぶさたの母親の姿は適切な演出効果だろう。(大丸 弘)
ID No. A05-021
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1905(明治38)年3月1日号 7面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 唯心(55)
作者 武田仰天子(1854-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D004:[適齢期の娘;新造;(1) 嫁入り前の娘,新妻,さらに一般の他家の妻女をいう。]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2:[ヘアスタイル]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
D1ka:[髪飾り(櫛,簪,リボン)]
Vhao:[羽織]
Vna:[長襦袢;襦袢]
Vob:[帯]
D3ob:[帯の締め方;帯の位置]
時代区分・年代 20世紀初め;1905(明治38)年
国名 日本
キーワード 和室;火鉢;火箸;薬缶(やかん);急須;茶碗;茶托;座布団;切り髪;切下げ髪;眉落とし;リボン;お太鼓結び;半幅帯;小紋の羽織
男女別 女性
体の部分 全身;坐臥