近代日本の身装文化(身装画像)
説明 本文によれば女性が背にしているのは九尺の違い棚、その隣には同じ九尺の床があるわけだから、座敷の横幅は三間、少なくとも十二畳の広さ、それがこの侯爵夫人の居間。夫人は黒綾の被布をまとって端座。気高いうちにも何処やらに権のある、というのは身分からして当然のことだろう。明治から大正にかかるころまで(~1910年代)、被布は広く着用されたが、少女には可愛らしく、若い女には華やかで、そしてこのような年輩の女性には一種の威のある、複雑な顔をもった衣料だった。羽織と比べて身体をすっぽりと覆うため、老人の室内着として重宝だったのだろう、この夫人も手先を袖に隠している。夫人の歳は四十七,八、当時としては初老のうちに入る。髪は縦型の束髪。髷の形はわからないが、前髪がやや大きめであることは、こうした身分の年輩の女性にも、時代の風は入っていることになる。(大丸 弘)
ID No. A04-184
出典資料 国民新聞
発行年月日 1905(明治38)年3月9日号 4面
小説のタイトル 仙桃閣(82)
作者 峡南
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
Vhi:[被布]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
D1hi:[ひげ]
Vhao:[羽織]
時代区分・年代 20世紀初め;1904(明治37)年
国名 日本
キーワード 侯爵夫人;袖に手を隠す;口髭;黒紋付き羽織;座布団;火鉢;火箸
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥