近代日本の身装文化(身装画像)
説明 兄は大きな身上の大店の主人だが、この弟の方は生まれついての怠け者で道楽者、ことし五十五になって「叩き屋根の借家住まい」という身の上。叩き屋根というのは、瓦を葺かずに短冊形の薄板を木釘でトントン打ち附けてゆく杮葺(コケラブキ)のこと。トントン屋根などといい、火災には至極弱いが、江戸時代から明治の初めにかけて、長屋普請はたいていこれだった。連れ添う女房はことし四十一で育ちは水商売、「さすがに過ぎし昔の余波(ナゴリ)、くっきり垢抜けて、どこやら仇っぽい肌ざわり、俠(キャン)な言葉に愛嬌の露まだ乾かぬ風情」というくせ者。第4回の片膝立てといい、第12回の肘を張った懐手といい、啖呵のひとつも聞けそうな張りの強さが、その恰好に示されている。この時代でまだ眉を剃っているのと同じようにハイカラ嫌い、髪も前髪をほとんどとらず、根の思いきり下がった銀杏返しにでも結んでいるのだろう。(大丸 弘)
ID No. A04-050
出典資料 大阪朝日新聞
発行年月日 1904(明治37)年10月16日号 7面
画家・撮影者 公文菊仙(公文菊僊)(1873-1945)
小説のタイトル 一軒屋(4)
作者 村上浪六(1865-1944)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード H6:[和座敷一般]
D016:[中年~初老の男性]
D006:[初老の女性(40~50歳代)]
D1me:[眼・眉毛周辺の状態(眼・睫毛・眉の化粧)]
Vka:[掛襟]
D3ut:[打合せ;襟あき;ぬき襟]
D80:[姿勢;ポーズ(特異な姿勢・ポーズ・格好一般)]
Wki:[喫煙関連;タバコ;キセル]
時代区分・年代 20世紀初め;1904(明治37)年
国名 日本
キーワード 和室;火鉢;火箸;薬缶(やかん);水屋;煙草盆;長煙管(きせる);座布団;道楽者;水商売上がり;眉落とし;黒襟;立て膝
男女別 男性;女性
体の部分 全身;坐臥
関連情報 A04-050, A04-051