近代日本の身装文化(身装画像)
説明 東京郊外堀切の菖蒲を見ての帰り道、身分の良い若夫婦とその友人の三人連れ。三十前後の紳士は「細立條(ジマ)の軟絨(セル)の単衣に、葡萄鼠地の塵除外套(インバネス)を被(ハオ)って、パナマの中折帽、金縁の近眼鏡、八字髭美(ウル)わしい(……)」と説明されている。セルを軟絨としているのは納得される。外套を塵除け外套とし、インバネスとルビを振っているのは、当時この種の和装二重外套のネーミングが流動的だったことを表している。小説の作者である田口掬汀は、1929(昭和4)年の中央美術社『日本風俗画大成』で、鏑木清方らとともに風俗解説を担当した人物だから、とにかく彼の周辺では、このタイプの外套がインバネスで通ったことを疑うことはできない。かつ、この一日の叙述の中だけでも、彼はこの紳士を繰り返し三回も「塵除外套(インバネス)」と呼んでいる。ということは、当時この外套が、あるわかりやすい人種を指し示していたと考えてよい。(大丸 弘)
ID No. A03-010
出典資料 大阪毎日新聞
発行年月日 1903(明治36)年12月28日号 8面
小説のタイトル 新生涯(1)(1(1)):めぐりあひ
作者 田口掬汀(1875-1943)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード Wbo:[かぶり物一般;帽子]
D1hi:[ひげ]
Wme:[眼鏡]
Vwa:[男性和装外套]
D2hi:[束髪(庇髪など、後期平型の)]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
時代区分・年代 20世紀初め;1903(明治36)年
国名 日本
特定地域 東京;堀切
キーワード [インバネス;トンビ;鳶(とんび);二重回し;二重廻し;二重外套;二重マント];中折帽子;中折れ帽子;八字髭
男女別 男性;女性
体の部分 上半身