近代日本の身装文化(身装画像)
説明 東京府下西多摩の小村。村に一軒の大弓場を兼業する銘酒屋の門口。夏のことなので氷の暖簾が下がっている。場所柄むしろ茶店という方に近いのかもしれない。大首に描かれているのはこの家の養女で看板娘のヒロイン。おちょぼ口でつり目の伝統的な美人顔。髪はずいぶん大きな髷の島田に結っている。外の縁台に腰を下ろしているのは二人の書生。一人は近くの子爵家の別荘の跡取り、藍鼠のラシャの背広に麦とタスカンの交ぜ編みの帽子、もう一人は豪農の次男で、白地の薩摩絣の単衣に、黒メリンスの兵児帯という質素ななり、被っているのはタスカンのヘルメット、とあるが、ヘルメットではないようだ。タスカンはイタリアのトスカナ地方産の柔らかく上等の麦藁帽。やや黄色みを帯びているのが特色だが、二,三年もかぶっていると赤く変色するので結局高価なものだった。子爵の息子は夏の盛りだというのに、家の近くの散策にラシャの背広にネクタイとは暑いことだろうが、この時代の洋服はカジュアルな装いがまだじゅうぶんでなかった。(大丸 弘)
ID No. A01-067
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1901(明治34)年8月15日号 4面
小説のタイトル 水彩色(みずさいしき)(1)
作者 加藤眠柳(生年不詳-1920)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード G01:[店舗 ex.店構え全景,出入りする客,従業員]
D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D2sim:[島田;高島田]
Wou:[扇子;団扇;扇風機]
D6se:[洋装;西洋化;西洋観;ハイカラ;西洋かぶれ;開化ぶり;西洋憧憬]
Wbo:[かぶり物一般;帽子]
Psu:[スーツと附属品]
Wne:[ネクタイ;ネックバンド]
Qkas:[絣]
時代区分・年代 20世紀初め;1901(明治34)年
国名 日本
特定地域 東京;西多摩
キーワード 茶店の店先;看板娘;うちわ;袖に手を隠す;つり目;おちょぼ口;書生;三つ揃い;三つ揃え;スリーピース;羅紗の背広;ワイシャツ;ホワイトシャツ;チョッキ;ズボン;着流し;薩摩絣;タスカン帽;麦藁帽子
男女別 男性;女性
体の部分 全身;上半身;坐臥