近代日本の身装文化(身装画像)
説明 第9回は、夫が不当な恥辱を受けているのを透き見しているヒロイン。第12回は、夫の無念さを思い拳銃を握る。第73回は、参考人としての証言を求められ、法廷に立つヒロイン。二十代後半の人妻で大阪に住み、夫は役所勤め。髪は束髪で、前期の縦型のもの。束髪はいつも同じものを結っているわけではないが、第1回では同一人物の束髪を「英吉利風」といっている。縦型束髪ははじめ後頭部に髷を作るタイプが多かったが、日清戦争(1894年,1895年)以後になると上げ巻という、髷を頭頂部に作るスタイルが一般的になる。その後、中年女性に廃れることなく好まれる夜会巻もその一種。この女性のように襟を抜かない着方は東京では女学生風などといった。けれども前はずいぶん大きく開いているので、半襟がショールのように目立つ。この着方は1920年代まで続いた。法廷に立つ、というような場合はほんらい女性は羽織を着るべきではないのだが、男性の礼装である五つ紋付の黒羽織が、いつのまにか女性に模倣されていった。第9回と第12回は自分の家のことなので小紋柄のしゃれた柄を着ている。第73回のような黒羽織は、おそらく顔を白く、またきものや半襟を引き立ててみせるために、準礼装になったのだろう。芸者は夏でも黒の紗の羽織を好んで着ている。(大丸 弘)
ID No. A01-031
出典資料 東京朝日新聞
発行年月日 1901(明治34)年3月19日号 4面
画家・撮影者 右田年英(梧斎年英)(1863-1925)
小説のタイトル 神楽獅子(73)
作者 渡辺霞亭(黒法師)(緑園)(朝霞隠士)(無名氏)(匿名氏)(1864-1926)
資料タイプ 挿絵
身装画像コード D7sh:[小説のヒロイン;挿絵美人(この年の評判小説中の美人)]
D005:[20~30歳代の女性;年増]
D2so:[束髪(前期縦型の)]
Vhao:[羽織]
Vhan:[半襟]
時代区分・年代 20世紀初め;1901(明治34)年
国名 日本
特定地域 大阪
キーワード イギリス巻風;黒紋付き羽織;拳銃;ピストル
男女別 女性
体の部分 上半身
関連情報 A01-031, HC01-021, HC01-022