身装文献
文献番号 01_LI001764
著者名 川野和昭/カワノ カズアキ
書名・論文名 衣裳を通した災悪防除の思想の比較 : 奄美のノロ神装束とラオス北部の民族衣装の意匠を中心に
掲載誌名 国立歴史民俗博物館研究報告 174
出版者
発行年月日 2012 (3)
ページ
掲載ページ pp.69-93
シリーズ名
OWC AB;AM
地域・民族名 日本;インドシナ;ベトナム;ラオス;カンボジア
特定地域名 奄美諸島 ; ラオス
時代区分
時代通称名
キーワード ノロ神装束 ; 御印加那之(ごいんがなし) ; アヤハブラ ; サヂ・ハチマキ ; カミギン ; ドギン ; 一目落とし ; 鋸歯文 ; ハブラドギン ; カカン ; 少数民族 ; モン族 ; ラフ族 ; アカ族 ; タイダム族 ; 蚊帳 ; 災悪防除
抄録 奄美諸島には、かつて琉球国王に命じられて、地域の祭祀を司っていたノロと呼ばれる女性の司祭者が存在した。そのノロが身に纏った装束が現在も遺物として集落の個人や、地域の博物館等に保管されている。川野は、それらのうち奄美大島に残る資料、特に大島郡宇検村阿室に残る「シバサシギン」と呼ばれる資料群を中心に、川野が現地調査で収集したラオス北部の小数民族の民族衣装や、大島郡住用村(現奄美市)山間にある原野農芸博物館が収蔵する東南アジア大陸部の小数民族の民族衣装とを比較する形で、本務の鹿児島県歴史資料センター黎明館で、平成11年6月10日から9月5日にかけて「奄美のノロ神の装束―宇検村阿室のシバサシギンを中心に―」と題する企画展を開催した。本稿は、その際に得られた知見に、その後の川野のラオス北部の現地調査で新たに得た知見を加えて、両地域に共通して、各意匠が装束の襟、袵、袖、裾、脇など開口部や隅部、屈曲部、接合部に施されていることを指摘し、そうした箇所が霊魂の脱入の危険を持った箇所であることを指摘した。また、施された赤布、糸や細布の房、一目落としや鋸歯文などの意匠は、その霊魂、特に悪霊の身体への進入を防除し、心身の清浄さ、安全を守ろうとする機能をもっていることを考察したものである。結論として、ここで述べたような両地域の極めて微細な点に至る共通性は、装束の分野に限らず、奄美を含む南九州から南西諸島の他の民俗事象の多くに認められるものである。それは、こうした周辺域の小数民族の民俗文化との比較の作業によって、これまで日本民俗学が蓄積してきた膨大な民俗事象の読み直しが迫られ、日本列島の文化の多様性を説く可能性に満ちた比較民俗学の道が開けていることを示唆している。本稿は、その実践の一つである。
身装概念 AU229:[礼拝;祈り;法事;神事;宗教的行為;呪術的行為]
CP43:[地域性;地域主義;習俗(一地方の);地方習俗;民俗]
AU104:[民族別;服装の民族比較]
DP163:[象徴;象徴性;シンボリズム]
DP00:[デザイン;デザイン理論;意匠;意匠学]
服装専門分類 AU2:[総記;着用目的,TPO]
資料タイプ
資料所在
国会図書館請求番号
日本十進分類
版次
備考
言語
リンク 国立情報学研究所 CiNii