| 文献番号 | 01_AR060619 |
|---|---|
| 著者名 | 山口律子 ; 林寛美/ヤマグチ リツコ ; ハヤシ ヒロミ |
| 書名・論文名 | 紅花染めにおける温度の影響(2) |
| 掲載誌名 | 園田学園女子大論文集 35(2) |
| 発行年月日 | 2000 (12) |
| 掲載ページ | pp.11-32 |
| OWC | AB |
| 地域・民族名 | 日本 |
| 時代区分 | 20世紀後半 |
| 時代通称名 | 平成 |
| 抄録 | 紅花染めは,昔から寒中の染めがよいと言われている。しかし文献の中には,紅花染めに適した染色温度を,30℃~60℃の間に設定しているものもある。そこで,効果的な紅花染めの染色方法を見出すため,紅花染めの染色条件において,黄色素の抽出温度,紅色素の抽出温度,紅色素抽出液による染色温度のそれぞれの温度の影響について検討する必要がある。今回はまず,紅花染めにおける黄色素の抽出温度の影響について検討した。1.紅花染めの染色条件において,黄色素の抽出温度が上昇するに従って,染色布の色は,黄味が減少することが認められる。これは,黄色素の抽出温度が高いほど,黄色素が十分に抽出され,取り除かれるためと思われる。2.紅花染めの染色条件において,紅色素の抽出温度と紅色素抽出液による染色温度の2つの温度をともに10℃に設定した場合,黄色素の抽出温度が上昇するに従って,染色布の明度は,かなり高くなることが認められる。これは,黄色素の抽出温度が高いほど,黄色素が十分に抽出され,取り除かれるためと思われる。3.紅花染めの染色条件において,紅色素の抽出温度と紅色素抽出液による染色温度の2つの温度をともに10℃に設定した場合,ほとんどの染色布が,基準試料よりもうすい方向に位置し黄色素の抽出温度が上昇するに従って,染色布はよりうすい方向に,位置することが認められる。実際に見た感じでは,黄色素の抽出温度が上昇するに従って,染色布は,色はうすくなるが,冴えた,澄んだ色に見える。4.以上の結果より,紅花染めにおいて,黄色素を十分に抽出し取り除くことが,紅花染めの一つの大きな要因であることが認められる。黄色素を十分に抽出し取り除くためには,黄色素の抽出温度をある程度,高く設定する方がよいことが認められる。紅花染めの染色条件において,黄色素の抽出温度は,紅色素が熱によって分解されない30℃が最適であると思われる。5.紅花染めにおいて,黄色素の抽出をやむを得ず,低温で行わなければならない場合,次のような方法で,黄色素の抽出を行う必要がある。黄色素の抽出温度が10℃の場合,黄色素抽出のための水の量は,紅花量の100倍程度使用し黄色素抽出時間12時間を2回繰り返し延べ24時間(1日間)抽出する。この方法で,黄色素の抽出除去は,十分であることが認められた。 |
| 身装概念 | EQ176.0:[草木染] EQ171.2:[高温染色;染色温度] EY111.00:[紅花] |
| 服装専門分類 | EQ1:[表面特性;布地] |
| リンク | 国立情報学研究所 CiNii |