身装文献
文献番号 01_AR045927
著者名 田中陽子/タナカ ヨウコ
書名・論文名 天然染料によるインドネシアBATIKの染色(1) : Ceriops. candolleana ARN.抽出液による染色とSoloのBATIK工房のSoga Brown抽出液による染色
掲載誌名 日本色彩学会誌 18(2)
発行年月日 1994 (8)
掲載ページ pp.147-158
OWC OB
地域・民族名 インドネシア
時代区分 20世紀後半
キーワード バティック
抄録 天然染料による伝統的インドネシアBATIK(バティック)の染色材料Soga BrownはTengi,Djawa,Jambar,Tegerangその他の混合物であり一般的にソガと呼ばれている。Tengi (Ceriops. candolleana ARN.)の樹皮は布帛を褐色に染める色素を含有している。インドネシアSoloのBATIK工場で使用されている天然染料によるSoga Brownの抽出原液とCeriops. Candolleana ARN.の樹皮抽出液にセルロース,シルク,ナイロンそしてキトサンの繊維微粉末を温度別に浸し,その色彩をCIE(1976)Lab値により測色して検討した。その結果多くの末端アミノ基を有するキトサンのb値,L値は他の繊維微粉末に比較して顕著に低かった。そこでどの成分が微粉末と親和性があるのかを確認するために,未染色の抽出物と各繊維微粉末を染色した後の抽出物を紫外可視吸収スペク卜ルの変化と高速液体クロマ卜グラフイー(HPLC)により分析した。Ceriops. candolleana ARN.は90℃蒸留水で抽出した溶液には278nmで少なくとも20種類,476nmで9種類のピーク,メタノール抽出液では278nmで9種類のピークが認められた。90℃蒸留水で抽出したSoga Brownの溶液には25種類の化学成分を含んでいることが確認できた。それぞれの繊維微粉末を常温と高温に分けて染色した後の溶液はピークの高さと保持時間とから吸収された成分を推定した。BATIKの染色技法の重要点である温度,時間,重ね染め,濃度,媒染方法の影響を被染布の測色により検討した。その結果,先媒染,常温での重ね染めというBATIKの染色技法は適切であると考えられる。
身装概念 EQ178.2:[ろうけつ染]
EY111:[天然染料]
服装専門分類 EQ1:[表面特性;布地]
リンク 国立情報学研究所 CiNii