| 文献番号 | 01_AR042981 |
|---|---|
| 著者名 | 岡村秀典/オカムラ ヒデノリ |
| 書名・論文名 | 後漢鏡の編年 |
| 掲載誌名 | 国立歴史民俗博物館研究報告 55 |
| 発行年月日 | 1993 (12) |
| 掲載ページ | pp.39-83 |
| OWC | AF;AB |
| 地域・民族名 | 中国;日本 |
| 時代区分 | 1世紀;2世紀;3世紀前半 |
| キーワード | 後漢鏡 |
| 抄録 | 漢鏡は,年代を測る尺度として大いに活用され,中国考古学と日本考古学との接点のひとつとなっている。本稿は,中国考古学の立場から,前漢鏡研究の続編として,後漢代の方格規矩四神鏡,獣帯鏡,盤龍鏡,内行花文鏡の4つの鏡式をとりあげ,型式学的研究法にもとついた編年を試みるものである。その具体的な方法は,次のとおりである。まず一連の変化を示す単位文様の系列を想定し,次に1面の鏡における単位文様の共存からその相関関係を明らかにすることによりひとつの鏡式の型式分類をおこなう。これを各鏡式について実行したうえで,続いて共通する単位文様によって鏡式間の横のつながりを検討する。この型式に紀年鏡や漢墓での出土例によって実年代を与え,最後に洛陽や広州などでの漢墓編年と対比させることにより,組み立てた編年を検証する。この編年にもとづいて後漢鏡を大きく3期に区分し,漢鏡5期,漢鏡6期,漢鏡7期とした。1世紀中ごろから後半の漢鏡5期では,前代の方格規矩四神鏡と獣帯鏡が継承され,四神を主体とした宇宙観が変容していく過程がみられた。内行花文鏡もまた,前代の連弧文銘帯鏡から変化してきたものである。このような王葬鏡を継承した鏡式が主体となるなかで,盤龍鏡は立体的な浮彫表現をもってこの時期に創出され,獣帯鏡でも細線式から浮彫式のものが分岐した。2世紀前半の漢鏡6期では,方格規矩四神鏡や細線式獣帯鏡の主文は鳥文や渦文に簡略化し,盤龍鏡も次第に簡略になっていった。内行花文鏡には蝙蝠座のものが出現し,おもに華北に分布するのに対して,浮彫式獣帯鏡は華南に分布が偏り,様式の分化が少しずつ顕著になっている。この時期にはまた,新しい宇宙観をもつ画像鏡や神獣鏡,虁鳳鏡などが創案され,漢鏡7期に受け継がれていった。 |
| 身装概念 | AW464:[鏡;手鏡] EQ12:[文様;模様;柄] |
| 服装専門分類 | EW1:[表面特性;装身具一般,宝飾品,身体に補助的につけるもの,かぶりもの,もちもの,履物] |
| リンク | 国立情報学研究所 CiNii |