日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05739-A04
題名 猿印と馬印
題名(ヨミ) サルジルシトウマジルシ
時間 2分49秒
話者
収録年月日
収録地 広島県福山市
収録者 稲田浩二
OWC AB44
日本昔話タイプ 変形【IT780;鴬の谷渡り】
話形分類 TA. 鶯の谷渡り
概要 「ほえで心配ないわい、ゆうとそえから福山へ・・・・・得心したいうんじゃけえの」
(『日本昔話通観広島、山口篇』P.711により補う。)親父が福山に用事で出るという女房はいつもの芸者のところに行くと思い親父のものに猿がボンデンを担いでいる絵をかく。親父は女房のものに馬の絵をかく)これで心配ないと、出掛ける。親父は芸者のところへ行くが、今日は女房が印を描いたのでだめと断る。芸者が見せてもらい「これなら私にでもかけるから」とあがらせる。女房の方へは、験者が来て、その印を見て、自分でも描けるからとする。晩に親父が帰って来る。女房が印をあらためる。「あんたぁ、こりゃ、芸者んかたへよっとる」「どうして」「私ぁ右に描いたのに左によっとる」と言うので親父は気をきかして、「いくら軽いとはいっても福山まで行くのだもの、肩替えもするよ」「そりゃそうだ」と納得する。親父が女房のをあらためる。「こりゃあ、お前したな」「どうして」「わしは腹のこまい馬を描いたのに腹の大きい馬になっとる」「そりゃあ、あんたのつなぐ所が悪い、あんたが豆のねきぃつなぐから馬が豆を食べて腹がふくれたのよ」「そりゃそうだ。わしのつなぐ所が悪かった」と得心したという。