日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05739-A01
題名 獅子頭の由来
題名(ヨミ) シシガシラノユライ
時間 4分57秒
話者
収録年月日
収録地 広島県福山市
収録者 稲田浩二
OWC AB44
日本昔話タイプ 【IT550;狐の遠征】
話形分類 TA. 狐と虎と獅子;ME. 狐と獅子と虎
概要 「氏神さんに八幡さん・・・・・なあんじゃけえ仕ようなぁ、」
氏神さんや八幡さんには必ず獅子がある。そのシシの頭だけで踊るのは、次のような事がある。昔、日本の獣の王は狐であった。中国は虎であった。狐が虎の所へ行き、虎が王様というのは何が出来るのかと問うと、そこにある千里の薮を誰よりも速く一回り出来るという。それでは競走しようという事になる。虎が走った後、狐は垣をくぐって先回りしている。虎は負ける。印度ではシシがヒマラヤ山に居り獣の王様だという。狐と虎は会いに行く。どんな力を持っているのかと聞くと、一声おらべば、前にいるお前達が死ぬる。二声おらべは、このまわりの人が死ぬ。三声おらべば三千世界の人が死ぬ、という。四声おらべば自分が死ぬという。狐が「では一声おらんでみぃ」虎にはちゃんと耳のせんをしておけと言い渡しておく。シシはおらぶが何ともない。「では二声おらんでみい」狐がいうとシシが「まわりの人に迷惑をかけるから」という。「でも前の我々が大丈夫なのだから」と言って、二声おらばせる。同様にして四声までおらばせると、シシは死んでしまう。そこで狐は国のみやげにしようと頭だけを持ってゆく。虎は元気なのだからと体を持ってゆかせる。それで日本の獅子は頭だけしかない。cf. 「一宮さんのほらふき会はなし集」