| データ番号 | Q05466-A19 |
|---|---|
| 題名 | 祭文語り - お吉清左 - |
| 題名(ヨミ) | サイモンカタリ - オキチセイザ - |
| 時間 | 3分12秒 |
| 収録地 | 奈良県山辺郡山添村 |
| 収録者 | 稲田浩二 |
| OWC | AB39 |
| 日本昔話タイプ | *祭文 |
| 概要 | 「国は京都の・・・・・身を投げた」 国は京都の三条の町で 糸屋よよごい四度目のくらしうちもにぎやか くらしも繁盛 手代番頭は四十八人で四十八人あるその中で 番頭頭に清左というて抜け目ないのでお吉が望む なじみ重なり義理重なりて親の耳にとそろそろ入り 聞いてこのまま放ってはおけんお吉お吉と一間によべば お吉いつもの御用かと思ってこれさお母さん何用でござる お吉よぶのはほか用でないが店の清左とわけあるそうな 思いきるかきらんかお吉これさお母さん何言いなさる わしと清左とこの仲々は金や辛苦できる気はないが 清左清左と一間によべば清左いつもの御用かと思て ていじをかたげてそろばん下げてこれさお母さん何用でござる 清左よぶのはほか用でないがうちの一人娘のよい気ぞそむく 店をしもうて今日限り何を言うてもただはいはいと 下に召すのは白と黒との染め分け襦袢 上に召すのは黒羽二重で 帯は当世の東北緞子三繰りまわしてちょうちょにとめて ポンとたたいてうしろへまわす羅紗の羽織りに梅鉢の紋 ふかわりなされとめんてをかくし ぶんを出てから三つ指ついて 旦那さんもごほがい衆もながくお世話とあいなりまして お吉清左とわかれる時は生木小枝のもがれるごとく清左いなれて四五日したら 夢か現か清左の姿夢をみてからこのままおけん ひちにかくれてお隙をねろて母の方からひまくら下げて 舟にのろうか丘道行こか舟であぶない怪我でもしたら しらぬ丘道ただすごすごと行けばほどなく大阪わきの 清左館(やかた)はどちらでござるわしの前から二、三間むこうな 家ののれんに菊屋と書いてそれを見るより表へ入る ごめんなされと腰折れつりて清左母様二階から降りて 若い娘さんどちらでござる所申せば恥かしけれど わしは京都の糸屋でござる糸屋さんとはあなたの事か うちの清左があなたに上がりながきお世話とあいなりまして うちへ帰りて四五日すれば旅の疲れが病気となりて 医者や薬で介抱すれど介抱かなわぬ あい果てました 嘘を言わんと会わしておくれ嘘かまことか位牌を見やれ 白い位牌は清左の位牌お吉は涙にむせて お吉泣くなよ泣いたるとても死んだ清左と会う事はでけん 寺の前から二、三町登りご石拾うて袂につんで 前の蓮池身を投げた |