日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05440-A04
題名 油とり
題名(ヨミ) アブラトリ
時間 4分38秒
話者
収録年月日 1971-11-02
収録地 石川県鳳至郡柳田村
収録者 稲田浩二
OWC AB27
日本昔話タイプ 【IT353;脂しぼり】
話形分類 TA. 脂取り
概要 「むかしね、あるところに若い男達が遊びに出たがやとや・・・・・なんばみそあいて、ふたがかるかった。」
若い男が遊びに出て、宿屋に泊まって、夜中にうなる声を聞く。覗くと、人間の油をとっている。始めの2、3日はごちそうを食べさせ、遊ばせて、その後、足を縛って逆さ吊りにして、下から火であぶり、油をとる。長崎というところで、行われていた。若い男は、夜、逃げ出そうとするが、部屋に閉じ込められてしまう。やっとのことで、一枚の畳をあげて縁の下に出ると、切り石で閉じられている。すき間を捜して逃げ出すと川である。男は、流れてきた竹につかまって向こう側へ跳んで山へ逃げる。途中で穴を掘っている爺に会って、その穴にかくまってもらう。翌朝、長崎から追手が来るが、爺が男はもう戻ったと答えるので、追手は帰る。男は爺と別れて、さらに逃げる。人目につかぬように、岩の焼けたうろで休むと、岩がくずれて、男は死ぬ。命というものは、しばらくは延びても、約束が決まっているので、長くは延びないものだ。