日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05439-A04
題名 人間忘恩
題名(ヨミ) ニンゲンボウオン
時間 7分37秒
収録年月日 1971-11-02
収録地 石川県鳳至郡柳田村
収録者 稲田浩二
OWC AB27
日本昔話タイプ 【IT402;人間忘恩】
話形分類 TA. 報恩動物・恩知らずの人;ME. 動物と人
概要 「むかし天竺ちゅうところに・・・・・なんばみそがあいてふたがかるかった。」
天竺にがっかい長者というだんながいて、若い時に舟に乗って遊び暮していたが、天竺に内乱が起こり、パジャへ行って、大水で何もかも流される。がっかい長者は助かり、海へ流れて出て、伝馬船を拾う。それに乗っていて、若い男と犬と蛇を拾う。長者は流れついたところに小屋を建て、一緒に暮す。犬が金のいっぱい入った預金箱を拾い恩返しに置いていったので、長者は何でも買って不自由なく暮す。蛇が男に姿を変えてきて、何か恩返しをしたいと言う。蛇が殿様の足に噛みつき、毒がまわって、誰にも治せないところへ、この薬を持って行くようにと勧めるので、長者はそのとおりにする。殿様がほうびに何でも望みのものをやるというので、長者は家を建ててもらい、一代の間、食べられるだけのお金をもらう。最後に若い男が訪ねてきて、ともに同じ天竺から流れてきたのに、自分は人の奴(やっこ)をしており、長者の方は大金持ちになったのは不公平だと言って、金を要求する。長者は、金を分けてやった。それからこの方、人間みたいな恩の無いものは無い。畜生の方がよく恩を報ずるものだ。