日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05439-A03
題名 にせ本尊 - 貧乏爺の話 -
題名(ヨミ) ニセホンゾン - ビンボウジイノハナシ -
時間 5分58秒
話者
収録年月日 1971-11-02
収録地 石川県鳳至郡柳田村
収録者 稲田浩二
OWC AB27
日本昔話タイプ 【IT786;にせ本尊】
話形分類 TA. 似せ本尊;ME. 似せ本尊, 文福茶釜
概要 「あるところに貧乏な貧乏なお爺さんが、おったといね・・・・・なんばみそあいてふたがかるかった。」
貧乏な爺が、夜、山へ狐を獲りに行ってひと休みすると、同じようにひと休みする者がいる。爺が狐だと思って肩に手をかけると、狐は同じようにまねをする。爺は狐をつかまえて、家まで連れていく。爺が狐を連れて家に戻って婆に火をたくように言うと、婆は事情を察して火を大きくたいて、そこへ狐をくべる。狐はカタカタカタカタァーッと座敷へ行ってしまう。爺が仏壇を拝んでいると、婆は「お手を抱いて拝ませて下さい」と言うように勧める。爺がその通りにすると仏様はひょっこり手を出す。爺が仏は狐だと思って、くくって火にくべると、カタカタカタカタァーッと逃げて、茶釜になる。爺が茶釜を火にかけ婆と一緒になって、火箸で叩くと、狐は足や頭をだす。爺と婆は狐をあぶって食べる。爺は婆に勧められて、翌晩も山へ行って、大きな黒いものを背負って帰る。翌朝になってみると、黒い固いものなので、物知りの爺に見てもらうと、黄金だという。お爺さんらは、一代幸せに暮した。それ以後、男は度胸、女房は愛嬌と言うようになった。(男が夜に度胸を出して出かけたから。)