日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05438-A02
題名 初夢の話 - 夢見小僧 -
題名(ヨミ) ハツユメノハナシ - ユメミコゾウ -
時間 6分55秒
話者 :1902年生
収録年月日 1971-07-18
収録地 鹿児島県鹿児島市
収録者 稲田浩二
OWC AB56
日本昔話タイプ 【IT93;夢見童子】
話形分類 TA. 夢見小僧;ME. 夢見小僧
概要 「奉公いうときはな・・・・・あったかなかったかしらないけんど。」
昔はよく奉公にやったものだ。醤油家に奉公にやったところ、大歳の晩、旦那が奉公人に初夢を語れといって前でねさせた。大番頭から語らせた。ところがその子は見ていないといってどうしても語ろうとしない。(奉公を)やめさせるぞ、とおどしたがきかず、やめてしまった。家に帰ると、みていない夢は語れない、と親に話し、折鑑のため、丸木舟にのせて、夜、海にうかべた。網をたぐりよせて夢をきくと初夢ではないという。また網をのばして舟をうかべてそこに乗せ、その網が150kmになったところ、大雨がふって網がきれ、信濃の国の泉缶寺についた。寺の小僧にみつけられ、和尚のもとに居るとよく働き、賢いのでみこまれて寺の宝物を授けられる。それは根元が二つにわかれていて、上で一つになっている木で、これで死人の胸を三日おさえると生き返り、反対にひざをおさえると千日後に飛ぶものだった。それを持って加活木(カチツ)の金持ちの娘を生き返らせ、国分の金持ちの娘を生き返らせ、双方に気にいられて両家の養子になった。十五日間はあちら、十五日間はこちら、と交代制になり、両家は競って間に金の橋をかけた。十五日目に相手方の嫁がむかえにきて、こちらの嫁と橋の真中でであい、正月二日の初夢は今だ、といった。若い女に両手をひかれて金の橋を渡るというものである。よい夢をみると人にいうものではない。