日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05433-A01
題名 ケンムンの話 - 男女の福分 -
題名(ヨミ) ケンムンノハナシ - ダンジョノフクブン -
時間 7分35秒
収録年月日 1971-07-18
収録地 鹿児島県大島郡伊仙町
収録者 稲田浩二
笠井典子
OWC AC04
日本昔話タイプ 【IT147;運定め-男女の福分】
話形分類 TA. 産神問答;CA. 煙草の起源;ME. 運定め話
概要 「昔の、ん、じゃったれば・・・・・たばこになったということでしょうね。」
昔、ケンムン 海岸で満潮の時に潮かげんをみるために網をひっぱって休んでいた。その人には今晩子供が生まれるはずだった。そこにケンムンが2人来て、今晩子供が生まれるが、どういう運命にしようかと話していた。女の子には米をいっぱいやろう、男の子には竹一本の運命を与え、あとでこの二人を結婚させよう、と話していた。家に帰ると女の子が生まれていた。いい方をもらったと喜んだ。大きくなって竹一本の男と結婚した。ところが性格があわずに離婚した。悲しみながら海岸を歩いていると、むこうの方で年よりがほら穴で生活していた。一人ではみじめだ、と女は年よりに結婚を申し込んだ。年よりは一たんは断ったがとうとう承知した。何年か後、もとの夫が物乞いになって竹の杖をついて来て、食物等を少しずつもらう。三回目に来た時に家を出る時に着ていた服をわらにつつんで米をいっしょに渡した。ところが乞食は寒かったので、その藁を中もみずに焼いてしまった。それを女にいうと女は察してくれると思っていたのに、その程度の男だったか、となげいた。男は離縁した女と知って、気絶した。葬式をだしてやると、その場からたばこが生えた。以後苦しい時にはたばこをすうようになった。男は死んでから女に役立つようになったのだ。