日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05428-A05
題名 沖縄の勇士
題名(ヨミ) オキナワノユウシ
時間 3分50秒
話者 :1906年生
収録年月日 1971-07
収録地 鹿児島県鹿児島市
収録者 稲田浩二
OWC AB56
日本昔話タイプ *伝説
概要 「若衆(わかし)がおって、若衆(わかし)ゆぅっちょなはぇ、沖縄や若衆が・・・・・そこでうちのお父さんが、それ話したら、そこで自分なの国はねもう渡すから涙落として頭つけた所は草も生えんち王様ん大和世にもう渡しますから言うて涙落として頭つけた所は木も草も生えんち。」
若者が二人いた その若者の母親が三年後に大和世(やまとゆ)が攻めてくるから準備しろと言った。ところが那覇の王様は「そんなことがあるものか、沖縄も大和も自分の国があるのにそんな事はしない」と言う。準備をしなければと言うと母を伊平屋という島に遠島にされる。それから三年経つと、大和から攻めてきた。その若者達は水の流れが血の水になる程頑張った。王様の馬鹿が母の言う事を聞いてくれていたらこんなひどい目に会わなかったのにと嘆いた。刀も折れ髪のぎふぁや(かんざし)を抜いて戦ったが髪がおどけて目が見えなくなりやられてしまう。王様はあの母親を迎えにやるがただの舟ではいかぬ。ハリ舟を作ってこなければゆかぬ、と言う。王様はハリ舟を作らせて迎えにやるが、沖縄湾に入るともう息子はいないと言って、天に昇ったのか海にはいったのか姿が見えなくなった。戦は負け、国を渡す時王様が頭を垂れて涙を流したその地には草も木も生えないそうな。