日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05402-A09
題名 夢見長者
題名(ヨミ) ユメミチョウジャ
時間 7分36秒
話者 :1900年生
収録年月日 1971-08-04
収録地 愛媛県八幡浜市
収録者 稲田浩二
OWC AB48
日本昔話タイプ 変形【IT92;天福地福】
話形分類 CA. 天福地福;ME. 財宝発見
概要 「ぎょろさん・・・・・意味でしょうな。」
貧乏なおじいさんとおばあさんがいた。隣りの老夫婦は分限者だったが欲深かった。貧乏な夫婦は子供によく物をやったりするので好かれていた。ある日貧乏な老夫婦は夢をみた。峠の松の根に宝がうめてあるのではやく掘りに行けというものだった。次の夜、二人で鍬をもってでかけた。隣の爺は正月の物を何か盗みに行ったか、とねずに見はっていると、何ももたずに戻ってきた。不審に思ってのぞきに行くと、貧乏な夫婦はあんな所にあんな小判があるとは、とこわがっていた。隣りの爺は次の夜、行って掘ってみると壺に小判が入ってい(ママ)た。これを持って帰らぬとは何と欲のない、とおどろきつつ持って帰った。すると中は小判でなく石や泥だった。さては知っていてだましたな、と怒り、屋根にある、煙穴の破風(はふ)に壺を入れてやろうと屋根に登った。貧乏夫婦は何者かが破風に登り、そこからこれでもか、これでもか、とバラバラと何かをなげ入れるので恐ろしくてたまらなかった。ミシリミシリという音をたてて何者かが去り、朝おきてそこをみると一杯小判でうまっていた。庄屋に報告したところ、これはおまえたちが正直だったための天の恵みだからとっておくように、といわれた。隣りの爺はくやしがった。しかし貧乏な夫婦はその小判をひとりじめせずにみなにもわけた。よい事はするものだ。