日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05380-A04
題名 雁取り爺
題名(ヨミ) ガントリジイ
時間 11分6秒
話者 :1898[1901]年生
収録年月日 1971-12-29
収録地 岩手県遠野市
収録者 稲田浩二
OWC AB13
日本昔話タイプ 【IT364B;犬むかし-雁取り爺型】
話形分類 TA. 雁取爺;ME. 花咲爺
概要 「あのな、昔あったどもな・・・・・ドンドハレ 人のまねさ、ねえだ。」
昔、下の爺と上の爺がいた。川で床をかけていると、下の爺の所にはいつも小魚が入り、上の爺の所には入らない。大きな根っこが流れてきて上の爺の床に入ったので、下の爺の床に入れた。下の爺はひろってかわかし、たきぎにしようとまさかりで割ったところ、白い犬が出てきた。大切に育てて、よく山につれて行ったが、ある日、木の下を掘るので、何かと思ったら銭が出てきた。着物を買ったりしたら上の爺がみつけ、犬を借りた。むりやり鳴かせて掘ったが、何も出ないので怒って殺し、コメの木の下にうめた。下の爺はそれをきいて木をきって座敷に立て「米やふれバラバラ」と言えば米がふり、金や着物も言えばふった。上の爺がそれをみつけ、どうしたというので木にむかって「犬の糞ふれ馬の糞ふれ」というとふってきた、と答えた。上の婆は家にもって帰り、そのようにいうと、犬や馬の糞がふってきた。そこでおこって木を焼いてしまった。上の爺がきてそれをきいて残念に思い、灰をもらって帰った。ある日、雁がとんできたのでやねに上って「雁の眼さ入れ」とまくと、雁がおちてきた。雁汁にして食っているとまた上の爺がきた。どうしたのかときくのでやねに上って「爺の眼さ入れ」といったのだ、と教えた。上の爺はその通りにしてやねからおちて死んでしまった。人のまねはするものではない。