日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05375-A04
題名 法事の使い - ぶつの話 -
題名(ヨミ) ホウジノツカイ - ブツノハナシ -
時間 9分53秒
話者
収録年月日 1967-03-03
収録地 広島県比婆郡口和町
収録者 稲田浩二
OWC AB44
日本昔話タイプ 【IT870;法事の使い】
話形分類 TA. 法事の使;ME. ぐつの話
概要 「昔ある所へ」
昔、ある所に母と、ぶつとひょうたんという兄弟がくらしていた。ある時、母が、カゼがもとで死んでしまい、ぶつとひょうたん二人がとりのこされた。二人とも少し足りない子供だった。坊さんをたのみにいくとき、兄のひょうたんが、ぶつに坊さんをよびに行けといった。坊さんを知らない、というと丸い頭で髪をそり、黒い着物をきた者だ、と教える。行く途中、木の上のカラスを坊さんだと思い、来てくれるようにたのむ。カラスは「コカー、コカー」となく。子ではない、母だ、といっても「コカー」となく。あきらめて帰り、兄に告げるとそれはカラスだという。坊さんは丸い頭で高座にすわっているものだ、と教えられ、もう一度でかける。すると次はかぼちゃを坊さんとまちがい、たのんだが返事をしない。腹をたてて帰ると、それはかぼちゃだと教わる。坊さんは広い所に黒い衣をきているといわれ、またでかけるが、今度は広い原っぱの黒い子牛を坊さんだと思いこみたのむ。すると、「メー」という。「姪ではなく母だ」といってもだめで、またあきらめて帰る。兄は自分が行くから飯をたいておけ、といいつけた。飯をたくときに「ブツブツ・・・」とよぶので「オイ、オイ・・・」とへんじをしていたが、あまりうるさいので灰を釜の中に入れてしまった。兄は坊さんをよんできて、飯をだせといったが、灰がいっぱい入っているので、これはだめだ、とあまだの酒をだすことにした。ぶつあまだに上がってひょうたんにつなをつけ、下にいる兄に「ひょうたんのけつをしっかりおさえていろ」といったが、つなをはなせばひょうたんはおちてわれてしまった。兄は自分の尻をおさえていたのだった。兄弟はついに飯も酒も出せなかった。