日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05375-A02
題名 爺おるか
題名(ヨミ) ジイオルカ
時間 8分6秒
収録年月日 1967-03-03
収録地 広島県比婆郡口和町
収録者 稲田浩二
OWC AB44
日本昔話タイプ 【IT266;婆いるか】
話形分類 TA. 婆いるか;ME. 一ツ屋の恠
概要 「昔ある所・・・・・昔かっぷり」
昔ある所におじいさんとおばあさんが二人でくらしていた。おじいさんはいつも「わしが先に死ねば納戸の室の上に棺をすえてくれ」とおばあさんにいっていた。おばあさんはいつも「わしが先に死ねば棺を納戸の室の上にすえてくれ」とおじいさんにいっていた。おばあさんの方が先に死んだので、おじいさんはおばあさんを棺に入れ、納戸の上においた。すると、あけてもくれても「爺、爺、そこにおるじゃるかい」と納戸の奥からきく。爺さんは、「おう、ここにおり候」と答える。二人はそれをずっとくり返していた。ある日、古金を扱う商人が来て、家に上がってきた。はかりを忘れたというのでじいさんがとりにいった。その間「爺、爺、そこにおじゃるかい」と納戸で呼ぶ者がいるから、「ここにおり候」と答えるようにいって爺は、はかりをとりにいった。商人はいわれた通りに答えたが、あまり呼ぶのでだまっていた。すると「出るぞ」といったので「出ろ」と答えると、棺をあけて死人のばあさんが出てきた。商人はびっくりして寺ににげこんだ。寺の小僧は商人をかくまい、もっていたほうきでばあさんを叩いた。すると骨がくずれて動かなくなってしまった。ほうきで人をなぐってはいけない、とはこの時からいうようになった。