日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05373-A04
題名 馬子と山婆
題名(ヨミ) マゴトヤマンバ
時間 9分57秒
話者 :1894年生
収録年月日 1963
収録地 岡山県真庭郡川上村
収録者 稲田浩二
OWC AB43
日本昔話タイプ 【IT352;馬子と山姥】
話形分類 TA. 牛方山姥;ME. 牛方山姥
概要 「なんと・・・・・昔こっぽり」
昔馬子がいた。正月前になって、近所の人から頼まれてぶりを買ったが、日がくれてしまった。馬の尻をたたいていたら、「待ってくれ」という声がした。山婆だった。馬の負うとるのは何だときいたのでぶりだと答えると、1つくれという。いやだというとおまえをくうという。食っているうちににげようと思ったが、すぐおいつかれた。荷をほどいてぶりを投げて逃げたが、またおいつかれた。こんどは馬の足をよこせというのでいやだというとおまえをくうという。しかたなく馬の足をやり、にげたがまたおいつき、また足をくれという。馬子は馬を一匹やって、にげ、家があったのでその中に入った。きもちのわるい家だったので、ひょっとすると山婆の家かもしれないと思い、2階のあまだの上でかくれていた。すると山婆が戻ってきた。山婆は餅をやき始めた。しょうゆをとりにいった時、馬子はあまだの竹をぬいて槍で餅をついて食った。山婆はねずみのしわざだと思い、もちをもう一つとりにいった。その間に馬子はしょうゆをこぼしたので、山ン婆は戻ってきてあきらめて寝ようとした。あまだでねようかと梯子をあがりかけたが思いなおし、釜の中に入っていびきをきてねた。馬子は大きな石を釜のふたの上にたくさんのせ、杉の葉を入れ火をカチカチとうった。山婆はカチカチ鳥だと思いねていた。火をボウボウともやすとあつくなって気がついた。山ン婆は助けてくれといったが、ついにやきころされ、くろこげになった。その時ちょうどほうそうがはやっていたので山婆の黒こげを妙薬だ、と売り、馬子は大分限者になった。