| データ番号 | Q05356-A01 |
|---|---|
| 題名 | トゥイタッキ - オケクルミとカンナカムイの娘 - |
| 題名(ヨミ) | トゥイタッキ - オケクルミトカンナカムイノムスメ - |
| 時間 | 8分40秒 |
| 話者 | :1898年生 |
| 収録年月日 | 1970-11-25 |
| 収録地 | 北海道芦別市 |
| 収録者 | 稲田浩二 笠井典子 |
| OWC | AB11 |
| 日本昔話タイプ | *アイヌ資料 |
| 概要 | 姉と弟がくらしていた。姉さんは美しかった。弟は一人前になったので姉が「山にいっていい肉を(とってきて)たべさせてほしい」といったので、弓矢をもってでかけた。道はあかるくてらされた。山の上に上ると池があり、ほとりで神達が遊んでいる。かくれてみていると踊って酒盛りをしている。さいごになってくると空から「シンダ」という籠にのった美しい女がおりてくる。一度でもいいからくっついてみたいと思った。皆、天に上って帰っていくのにあとをつけたが、どの家に帰ったかわからない。しかたなく降りて家に帰ってねた。それからはごはんもたべないでねていたら、姉が心配して食事を作ったが手をつけずにくさらせてしまう。そこでもう一度前の場所にでかけた。同じ様に酒盛りの中に籠にのって女がおりてきたが、前の女と別人だった。その女が他の女と話しているのをきいていた。何かアイヌの国でかわった事はないか、というと、オケクルミという若者が、なぜかごはんもたべず死ぬ程になっている、という。天には何かかわったことはないか、ときくと天にはカンナカムイという妹がごはんもたべずにねている。恋わずらいらしいといっている。またシンダのあとをおうがどこに入ったかわからない。いちばんえらい人だときいたので一番大きな家に入ると、中はガスがかかっていて何もみえない。入っていって霧がはれると立派な夫婦がすわっている。だんなさんの方が「よくきたな、アイヌのくせによくもわしの一人娘をわずらわせたな、もし本当に一緒になりたいのだったら、一日で臼やらはたおりの機械をつくって、6人のユーカラする人と、6人オイナする人と、6人シノッチャする人をよんで、みんな覚えて、臼やウオサをもってアイヌの国におり、女はマタンプシ(頭にするもの)、刺しゅうした着物を全部つくって、こういう風にアイヌの人はするのだ、ということを教えてもらったらおまえに娘をやる」といった。承知して二人で家に帰ると、姉は心配していたが、道具をみせて、みな集めてくれというとよろこんで、それらのつくり方を教え、ユーカラをおしえた。二人は天に登って二人いっしょになって幸せにくらした。 |