| データ番号 | Q05353-A01 |
|---|---|
| 題名 | ユーカラ - ポイヤンベの話;ヤユナウシ ポイヤンベ - |
| 題名(ヨミ) | ユーカラ - ポイヤンベノハナシ;ヤユナウシポイヤンベ - |
| 時間 | 35分11秒 |
| 話者 | :1898年生 |
| 収録地 | 北海道芦別市 |
| 収録者 | 稲田浩二 笠井典子 |
| OWC | AB11 |
| 日本昔話タイプ | *アイヌ資料 |
| 概要 | むかしは遊び場なくて、炉の中、あく、あるでしょう、あくの中に何でも書いたり、あく、灰の中に遊んでばかり居て、体中灰だらけになって遊んだ。小ちゃい、あぶないから、外へ出ないで、内に大きな炉だから、あく一ぱいあるし、灰の中に山こしらえたり、色々にして遊んでおると灰だらけになって。小さい時からそういう風に育っとるもんだから、ウナというのは灰の事、ヤユナして、灰を自分の体中こうしてまぶして、灰だらけになっていたていう。そうしていたら、灰だらけになって遊んでいても夜になると妹ユの、その妹と二人で、育ての兄貴いるの、育ての兄貴のふところ入って寝て。そして朝になるとそのお兄さん起きて山へいって、色々な熊とったり鹿とったりしてね。その肉のいいの持ってきては沢山ごっつぉこしらえて食べさしてもらっていた。そして育てられていたら、ある時又、山ん猟に行くちて行ったらもう川の上の方、山の方に着いた頃に何者かにやられたらしくね、きられたらしく、魂いく音、ものすごく響いていく音きこえるんですと、死んだようなね。昔は人が死ぬとその魂のいく音てきこえるもんだちうね。きこえて、少ししたら何者か、川づたいに下ってくる音、ものすごい音でくるんですと。昔は、飛行機みたいな、死んだていうのね。風のって歩くもんだちう音がひどいんですと。自分達の屋敷のはねた音したら、女ならだけども男らしく、刀の、トゥンバナイフで、刀の音がチャランとなってこりゃ男だなと思ってね、兄貴の、いつも兄貴の着て寝ている夜具の中へ、夜具でコソンデで袖のついてるんだね、その中へもぐり込んで袖のこういう穴から、目だけ出して見てたんですと、おっかないからね。そしたら、アパウラってすだれみたいになってああやって涼しなってんだわ、 それの真中きってね、刀できってものすごい勢いで飛び込んできて。ほして、見たら自分たち育ててくれた兄貴とそっくりな人でね、若いんですて。そして、左側にトゥンプて部屋があるんだわ。ま、はなれみたいなね。そのドアがこうしてあいて、そこから兄貴がトンプルングで一人出てきて、そこから一人出てきて。初めてみたんですて、トゥプルングてはなれにいた兄貴、小さい方の兄貴出てきて。同じ、腕の達者なもんで刀で家の中できり合いして、しまいにトゥンブーていうのは部屋から出てきた兄さん殺されてね。チタタケメニ見にいったらすっかり骨もきられて、チタタってたら、こうしてめった切りしたようになって転んだら、その人ね、他から入ってきた自分の傍寄ってきて、こういう風な偉い人はいくら小さくても何でもきいておくものだ、私はエサンノという国のもので私の評判が非常にうわさされていると思ったら、あんた達のうわさだけこの世の中にものすごく拡がっているから憎らしいから、あんた達みんなきる為に来たんだ。そして、その小さい妹の髪の毛をこうして手に巻いて、チェッパカエって魚の頭でも折るようにして殺して。小さいんだけども、死んでいく音がものすごく響いて、今度は自分に頭押さえて、そうしようと思ってこうして押さえようとしたけれども死んでたまるかと思って、その手の間を風になっていって、イオイキルっていう宝ものを置いてあるところの上に、昔から、刀、エムシタシロってあまり長くないものだけれど、さやもなしにあったの解ってるから、そこへ行っておこそうと思っても重くておこせないから一生懸命こういう風にして。してるうちに手の先軽くなって飛びかかったら、その人もかかってきて、かかってきたけども、アンコホーシビソムギていうのは後に去らないでとびかかって、そしたら、向こうでも飛びかかったけども飛んで死ぬのいやだから、かかってとびかかっていうるちに、よろいね、よろいの肩から下みんな切りおろしてしまったりして、後すだりしないで頭からとんでかかって、小さいけどもとばなかったら、切れないんです。まだこんな小さいでしょう。だから、とんでかかって体もみんな、縦横十文字に切ってしまったら、骨ばっかりになって、心臓をこうやって手で押さえて、空まどから逃げたの。そしたら追いかけていって空まどから出たら初めて自分の屋敷外まわり、こうして初めて見たんですて。そして、海の上からとんでいくから後追いかけていっているうちに、どこか何か戦争の音みたいなのきこえるんですて。そら又、どんな神様だか何か知らないけれども何もウタラサッペいうたら、何も親戚もないさびしく暮らしてるものにいじめてるんでないかと思ってそのそばへ寄って見たら、波に打たれてこういう風に海の淵にこうやって崖みたいになってそこに波ぶつかる音きこえて、それ戦争してるように聞こえて、みたらそれがエサンノッコタンで。エサンノっていったら海のとこへ岩でこうやって出ていて、そこへ波ぶつかる音でエサンノッコタンで。それはアトイヤコタンだから支那の国だ。エサンノってとこなんだってね。だから、そしてみたら追いかけてきた者、どこへ入ったかとんだか解らなくなって。だけど村の真ん中に大きな家(うち)あったから、そこへ行ってみたらルールンブヤナて、さっき先生が出したようなルールンブヤナでしょ。そこからのぞいたらすだれみたいにこうなって、その間からこうしてみたらだいぶの年増の人坐って、アペカントムピエアイヌカレったら、ひぃのひからこうやってみて坐ってるんですって、そしてみてたら、殺された兄貴とそっくりな顔してるんだって。そしたら、サシーソーカイネってその屋敷のとこへ誰かはねた音して入ってきたら、さっきめちゃくちゃきった人、心臓こうしておさえて入ってきて。すだれ勢いのある人はくちきって入ってくるんだけれども、その人はこういう風にねじて入ってきて、そして火のそばまできて、このアウエノオナて、この悪いお父さん、どういう風な先祖がどうで、どういう風なもとでこういう風にいるかいってきかしてくれって。そしたらそのお父さん、自分の怒りを顔に現してね。もとはこのエサンノていう国は支那だね、いじめにきた時に、エサンノッコタンの酋長がこの妹とこの国をくれたから、そっからあんたできたんだってね。できたの、お前がこの世にうわさされて、偉いてうわさされると思ったのに、自分の、ヤユモシリて日本だね、日本においてきた男の子二人とそれから、その他にホルケウカムていう、その妹から、男の子と女の子とあるけれどもまだ小さいと思ったけれど、だからお前やったのにそんな格好できたのか、帰ってきたのかって怒るんですと。それ聞いたら、憎たらしい、親もおるのにあんな兄さんから育てられてさびしく暮らしたのにもう腹が立って、そしてその窓から風になって入って、そしてみたら体中刀の傷だらけ、紋様みたいになってるんですって。ものすごいものだなと思うけど、三つ四つにくちきってね。そしてそのアイヌイキオってね、ただ骨ばっかりの人もきって、陸に浮んどって、空の空窓からこうして投げたんですと。そしたら生きた人になっていった音がきこえるって、それから、今度日本へ帰ってさ、ヤユンモシリったら日本だもんな、帰って自分の屋敷へきて、みたら、悲しくてもともとは全部こないだまで妹と二人で兄さんに育てられて可愛がって育てられたとこだし。同し男、そのユーシがたばかりきり合して殺すならいいけど まだ妹も小さいのにあんな事して殺してくれて、そして、1人で悲しい思いして、そのトミサンベツシブタツトラ 日本国でね島みたいなってるですよ。そのユーカラにはみんな北海道だけアイヌでないんだわ、日本国中ね、そして帰ってそこでさびしく暮らしていたというポイヤンベの話。 |