日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05352-A01
題名 犬と育った話
題名(ヨミ) イヌトソダッタハナシ
時間 18分14秒
話者 :1898年生
収録地 北海道芦別市
収録者 稲田浩二
笠井典子
OWC AB11
日本昔話タイプ *アイヌ資料
概要 アイヌ語翻字
ポン ラムアノ ウナルペ ウロア イレスカ アヌアオカァン アワ シネアー(ヌ)タワノ セタトラ イレスカ アンモセモタオカァン ソンノ セタ イペクル ウコイキワ イエンイカベカ セタウコイキ オハウ ネアカ イカ オンクル アサバダシツシ フネワオカァン、ウナルベ コロ マフネボワマフネ ピリカ レスワ アンプルカ イペルス ヤネヤカ セタウタラ イペクル、 イタベカ ウクイキ ピリカセタ ナフネ イエコタ チックミニ エトワニルルトゥ ナムバテカアンネコロカナ ソンタメ ポロアンクル アミピカ ポンヌワ エル アトサンネ オカァン クンネ アンコロ ピリカ セタ アナカ ピリカポロセタ イトウマウア ポッケ アンヌモコロアンヌ セタ ウナルベ イベレクセ セタウコイキ セタ キッキネ イキ(n)イキ(n)フア ネィダナカ アンカムカシピリオワ ソンノ トウルシ ウシウシペネノ アンカムカシケ アン アサバネハカ ルル チェポハウシェタ トゥルウスワ シツネ アイヌ カフネ アヌカイアンクル ソモ アンラムクル ネヒバハ ノカチ アングロ オカァン ネクセ アンイレスパ イレスカ アン ルネスクルヤイヌ アンネヤコパイ、アンルス イクルカ アミピカ シェム エルアトサネ タネアナフネ ポンヌポロアンヌヤイシトマアンクス セタ センピリタ オカ アン アワ シネエン トタ カムイネ ノ アンクル オマナンコトモシエルキ アンクルウナルペ ネイトキ カムイ ウタラバ イソネカシアルキ エス コロ エスエリシカァン エスエンビリケ エスレスカアン カムイ メノコ ポロルアン ヌカルエンクリスークリタックル イタク イタカ ワ イタカワアンヌ アワネーグル イテキサム デ エクワ イヌカル アナイネイテク サ イカラ ピリカポンベ トッタイトゥラ サヌア イフラヤ イフラヤイネ インカラナワ アンナンニベ キトモケド インカラ ネクル テムニコリヨマレ ネイタキ ネックシタ カムイサンシリ アンレスカルアン イエレスカ アン コルカ エス アンクルナル ベネィトキ カムイウタラバ イソ ネ カ シアルキ エスクル エスエリシカアン エスエンビリ ケエスレスカ アン カムイ メノコ ポロルアン ヌカル アングリス グリシタフク イタカワ イタカワアンヌ アワネーグル イテキサンムデ エクワ イヌカル アナイネイテクサ イクラ ピリカポンベ トッタイトゥラ サヌアケド イフラヤイフラヤイネ インカラナワ アン ナンニベキトモケド インカラ ネクル テム ニ コリヨマレ ネ イタキネックシタ カムイ サシシルアンレスカル アン イエレスカアン クルカレス ン カラ アンスムキ ウエンセコリタツコリチシコロイ イチオシ ラコ トイ コロコソンテアマワイミレワ アンコロチィッタ オシッパアン アンコロウナルベ コロヌノコハナポルポ メノコナフネ カムイネ ノ カムイ サスシリネノレスカワ シノフノマチシリコラィ ピリカメノコ ノ アンクルカ カムイネアンクルー アンクルウナルベ アンクルウナルベサパハンベ ペテコノエマフネポトラノンー タメトエ ポホコナモシリイワモシリ ホオトリケ オロワノ アンクル クルエネエタキエタワノ エーレス カムイ サシシリニ ワ ウエレスカアノオカァン エスノンカラアンクニヤイノアンクルカ ソモアリケン ウエ ンナ セクリ タツクル イツオクラト(コ)テタネワノナフネ ネプカエーラナフペイサムノ イスクフナンクルセコリタックルオロワノ イェレスカ イレスカ イネタネポロアンクル ネ カムイネアンクルアネウタネ アンコロコタン アン コソフ ヤッテ カムイ サシヒルネ イレスカ アンクル カウェノ ウナルベ ボーホーバテ カムイ サシ シネ レスカカ ウ アノカヤナフネ セタトライレスカ アンクルカチノミカモヨカヤクス オノンボスアヌワタアフネ アンクルカムイネ アンクルイモ(マ)フア ピリカフレシカァン アイイネ タネポ ピキリポカーヤンゴサンケ オカアン アイネ タネプルスククルアネ アン コレッタラカ ポロワ(ア) エナンベクス ホシキノカネ ウエンウナルベ イレシカワ セタトゥラ イレスカナ アニホンカ イライキャンアクルカ チノミカモ ヨカイワクス シキノアンクスエソカイルタバンナ イカネブカタネワノウネコ アンペ アンカ エスコハヤサクナ オノンボソ アンクス アンクル クル アンケライクス ピリカ イレシカ アヌワ タネアナフネ ウコ オンネ アンナ セクル カムイ サス シリヤエ トゥイタッテ
日本語概略
①小さい時からおばさんに育てられていた。ある時からモセン(物置)て、入(はいり)口の隅の方に犬たくさんあずかってたの。その犬と一緒にされて、犬の食べ物を、食べたくてお腹すくもんだから、犬の食べ物に手を出すと、手え食いつかれたりね。いい犬は魚の身を自分の方へこして鼻で押してきたらそれ食べていたら、犬らもの食べる時は必ずけんかするもんだから、自分の親からけんかして、魚の汁も自分の頭や体中汁だらけになったり、犬と寝るもんだから、犬の毛や垢やらでね、膚なんかみんな漆みたいになってるんですって。髪の毛なんかおつゆやらもうだんごになってしまって顔なんか真っ黒くなって犬だか人間だか解らないようになっていて、それでもう、ごはん、犬には、昔、魚ばかりなもんだから、魚やら、何か(くわ)ゆるとか色々なもんだけども犬の食いものろくなもんないもんだから、いい犬は、鼻で身のあるやつ4・5枚よせてくれるとそれ食べて、食べるとそれ欲しがって、犬にものやりにおばさん来ると犬けんかすると、犬叩くと同しく自分にも叩いたら、いつでも犬の歯の跡とおばちゃん叩いた(かれた)傷跡が体から、・・・・・[物語と関係がないので中略]犬叩くのにおばさん、犬叩くのにも自分に叩いたもんだからね、犬の歯の跡、いい犬が自分に魚の身よこすとそれ食べるのにこして取ると手え食いつかれたりしてね。手も傷だらけ血だらけになって頭も食いつかれたら血だらけになってね。ちぃと髪の毛もだんごになっちゃってね。体は漆みたいになって、どしてもとぶこんなにして育てられたか情なくて泣いてばかりで何がどこへかいって外へ出ようと出いたら真裸なってるし、もう恥ずかしい頃なんだから恥ずかしくて出られなくて、犬の陰にだけ隠れていたら、ある時、ものすごい立派な神様のような人が入ってきて、ちゅうは入口(いりぐち)の隅にいて、目だけ出して見ているもんだから、入ってたらそのおばあさんが神の子孫の人来て本当によかった。あんたの許嫁、こんなに大きくなってこんなに立派になったんだよ、って言ってるんですって。少ししたら、その人出てきて、自分の方こうやって、犬の方そのおばさん、あんたの許嫁こんなに大事に育てたけれども、私の娘はモウセンみたいに入口の横の隅に犬と預かってるんでよって言ってたらその人出てきて、自分の、こう犬を分けてこうして見ていて、自分を今度は手を引っぱってね、裸になってるもんだから、なかなか出られなくて、引っぱって、今度は川へ連れていってきれいに洗ってくれたら もうその膚のつやがものすごく出てきてね、きれえになってこうしてみたら自分の顔のつやがきれえに、ナンニベキっていうのは顔の光ね、それ光ってみえて、そしたら、その人泣いてね、だいて、だきしめて泣いて悪かった許してくれ、許嫁でいたんだけど、いつでも来ればいいのに来ないでこんなにして、ひどい目に会わされて育てられたの知らなかったって、泣いてもうだきしめて泣いて自分の上に着ていた、コソンデってね、はおってきたものを脱いで着せてくれて、こしてだいて家(へ)帰って。家へ帰ったらおばさんとおばさんの娘、そこへ神の人がいって怒ってなぜこんなうそ言ってまでこういって神の子孫を粗末にして育てた。おまえはもうこの世におく事出来ないって言って刀でブッツブツ切ってね。地獄の底へ踏みつけて、そして、その人ね、泣いてね、許してくれ、あんな鬼のようなものにあんなにされても、神様、お前は神の子孫だけあって助られて、今からはそんな心配はないからね、体を大事にして、まだ小さいもんだから、何年も育ててくれて、その人と結婚して、そして、大事にかわいがってくれて倖せになって、そしたら子供沢山できてね。そして、愛されて、いい暮しして、その子供達大きくなったら昔はこういうこういう訳でこんな事あったんだけども神様のお陰でこんなに倖せになったんだから、今から、あんた達大きくなってもどんな事あってもよく考えてね、そんな事ないようにしてしなさいってね、年寄ってなくなった。それはその女は神の子孫ていうけれど何ていう国のものか名前は私忘れてしまった。
題はウェン ウナラベ イレシカ(イレスカ)。ウェンはおばさん、 イレシカ(イレスカ)は育てた。
エナンベネクス クエアゥ タバンナ。こういう訳だから、こういってる(なった)んだ