日本昔話資料:稲田浩二コレクション
データ番号 Q05329-A01
題名 一話千両
題名(ヨミ) イチワセンリョウ
時間 22分49秒
話者 :[1894年生]
収録年月日 1978-10-01
収録地 高知県幡多郡佐賀町
収録者 稲田浩二
笠井典子
OWC AB49
日本昔話タイプ 【IT434;話の功徳】
話形分類 TA. 話千両;ME. 話千両
概要 若い夫婦が暮らしている。いくら働いても貧乏である。三千両の金を働けば家に戻るといって出稼ぎにゆく。長い間働く内、三千両諸ける。家に帰る途中かん板に「一話千両」とかっている。聞くと「大木より小木のもと」だけで千両。又行くと又、そのかん板がかかっている。聞くと「恩ない所に馳走になるな」。千両しかなくなってしまったが帰る途中、ひどい雷雨に会う。初めの言葉を思い出す。小さい木のもとで命拾いをする。夜に道に迷い一軒家に泊めてもらう。気安く宿をしてくれる。盗賊の家で宿をして御馳走しては殺していた。表の柴の枝が人の泊まる数程立つ。1つ立っている。主人(盗賊)が戻ってきて妻に話す。妻は人がきているのでなく自分が妊娠している為、人形をもうしている為だと言う。床を作ってもらった客は、第二の句を思い出し外に出ていると、その床の上に天井を盗賊が落すが誰もいない。妻が又先程の言をくり返す。命拾いして、家にたどりつくと家では、にぎやかな酒宴をしている。(一つ落ちている話「一話千両」というかん板がかかっている。「短気は損気」で千両とられる。)我家の前でその句を思い出し暗くなるまで川向うで待ち、「戻ってきたから明りをもってこいよ」と叫んで家に戻る。夫の突然の帰還に酒宴をしていた人は散る。酒屋の主人だけは家も遠くでもあり、行き場に困り戸棚の中にかくれる。帰ってきたその家の主人は妻に今までの事を話して聞かせて銭なしだから、戸棚を売ると言う。近所のものに担がせ、五千両一文下っても売らない五千両を下ったら、売らずに滝壺に落せと言う。戸棚の中の酒屋の主人は家の者に出させる。それで運んでくれた者にもそのお金を分け合って若い夫婦も安楽に暮せる。