| ID | 1989-03 |
|---|---|
| 展示名 | セピック─パプアニューギニア |
| 種別 | 新着資料展示 |
| 会場 | |
| 会期 | 1989年11月30日~1990年05月28日 |
| 名義 | |
| 概要 | パプアニューギニアは原始美術の宝庫として世界的によく知られている。しかし、それは単に造形の面白さにとどまらず、文化の拡散の典型的な例として、私達人類学者にとっても興味深いものである。 パプアニューギニアでもっとも有名な民族資料はセピック河流域のものである。この地域の造形物が特に面白い。ひとつには、高地部と異なり。セピック河流域では小人口の多くの民族が住んでいる。言語からみると、パプアニューギニアの数多くの言語の三分の一の言語がこの狭い地域に集中している。言語の異なりがただちに文化の異なりというわけではないが、この地域で文化の非常な拡散が起ったことな間違いない。 セピック河流域は、考古学の研究から六千年前には湾であったことがわかっている。海面の低下とともに、河川からの土砂の沈積によって湾はしだいに小さくなり、ついには河川と湿地だけになってしまった。そして、かつての湾の北岸と南岸にいたセピックに移り住み、いろいろに混合して現在のような多くの民族が分布するようになった。 造形物の多くは、儀礼などの伝統的生活に用いられていたものであった。近代化するにつれて儀礼などは行われなくなり、一方で現金収入の手段として、これらの造形物が原始美術品、あるいはおみやげとして制作されはじめている。彼らの近代化に対する適応である。 |
| 備考 | 第22回新着資料展示 |