| 概要 |
ガンジス川河口に散在する島じまには水田が広がり、雨季にはよい魚とりの場になる。子供たちは道ばたにすわり、水田の端の水路にさおをたらす。大人たちは投網を用いたり、竹で作ったうけを川の中に設置して小魚やエビをとる。これらは農民の楽しみで、とった魚はその日の食事に供される。漁民たちは網をつかって漁をする。水田の水路や、ガンジス川の支流では袋建網が設置される。ベンガル湾に乗り出す船はエンジン付きの小型トロール船である。税金がかからないようにと、50フィート以下の船をつかう。一艘の船の乗組員は10人から15人。一回の出漁は10日間前後。50キロから100キロの沖合に出て、船を止め、刺し網を流す。網の長さはほぼ2キロほど。ニシンの仲間のヒルサという魚が獲物の中心。とった魚は仲買人を通じてカルカッタに送られる。オリッサ州のプリの近くの海岸部では南のアンドラ・プラデーシュから移り住んだ漁民たちが組立て式のいかだに似た舟をつかっている。彼らのもちいる網もほとんどか流し刺し網で、ヒルサの他にエビをとる。彼らの話しによると、このエビは遠くロンドンやトウキョウに行くという。プリの南にあるインド最大の潟湖チルカ湖では舟をつかった網漁のほかに地引網漁もおこなわれる。さらに興味があるのは、琵琶湖の「えり」に似たさくを設置し、中にダウリとよばれるうけをつかう漁である。 |