展示情報データベース
ID 1988-02
展示名 アイヌの衣装
種別 新着資料展示
会場
会期 1988年11月25日~1989年05月22日
名義
概要 アイヌの伝統的衣服の魅力は、だれがみてもそれとわかる独特な文様のうつくしさにある。そこには、女たちの丹精こめた針づかいと、とぎすまされた造形の技を競う緊張がみなぎっている。この巧みな針しごとこそ、男たちの木彫とならんでアイヌ工芸の頂点をなすものである。
アイヌの衣服には、獣、魚、鳥などの皮、樹皮やイラクサの繊維などを素材にした自製のものと、大陸から入ってきた山丹錦衣、本州渡りの木綿布などがある。
アイヌ自製の衣服は、主としてもじり袖で、衽がなく、つきあわせに仕立てられ、襟、袖口、裾まわり、背中などにアイヌ文様をほどこしている。これらの部分に文様をほどこしているのは、すり切れにくくするためと、病魔が身体に侵入することを防ぐ呪術的意味がふくまれている。
このたびの展示は、アツシ衣、切伏せ衣、刺繡衣の3種によって構成した。
アツシ衣は、オヒョウ(アイヌ語でアッニ)の樹皮からとった繊維を用いて織られたものである。経糸に木綿の色糸を入れて縞柄にする技法は、20世紀に入ってから盛んになる。
切伏せ衣と刺繡衣は、いずれも本州から渡ってきた木綿の着物を仕立てなおしたものである。切伏せ衣は、衣服のうえに別布の裂地を置いて縫いつけ、そのまわりを刺繍で飾ったものである。刺繍衣は、衣服に直接、色糸を刺して文様をえがいたものである。
備考 第20回新着資料展示